在留審査の申請時に、健康保険証の提示を求めることについて
[在留審査の申請時に、健康保険証の提示を求めることについて、去年12月のブログに、入国管理局参事官からの回答を掲載したけれど、最近公表された3月改正のガイドラインでは、保険証がなくても審査に影響しないとの表現に改められている。
改正ガイドラインの当初公表時は、「社会保険への加入義務がある場合には,当該義務を履行していることが必要…平成22(2010)年4月1日以降は,申請の際に窓口で健康保険証の提示を求める」とあって、健康保険に加入していることが許可の条件になるとの記載だった。そして、去年12月の回答では、「健康保険証が提示されないことのみをもって,これらの許可に係る申請を受理しない又は不許可処分とするものではない。」とあって、許可の判断にあたって斟酌するような書きっぷりにトーンダウン。
そして3月になって、「保険証を提示できないことで在留資格の変更又は在留期間の更新を不許可とすることはありません。」と、保険証なんか不要とでも言いたいような記述になってしまった。
この数ヶ月の間、在日外国人の団体が、政府に対して、いろんな働きかけをやっていた。2月には、The Japan Timesが取材を行って、法務省の担当者から言質をとっていた。
そんな圧力団体の手先のようなことをやっていた自分が言うのもなんだけれど、法務省は、外圧に屈したわけだ。
結局、それで困るのは、全国の市区町村だったり、社会的に弱い立場にある多数の外国人だ。そのあたり、法務省は十分理解しているのだろうか。
平成19年6月22日の閣議決定「規制改革推進のための3か年計画」で決まったことは、一歩後退してしまった。
外国人の雇用主が違法に社会保険に加入させない問題がある。(たとえば、南米からの出稼ぎ日系人が多数工場への派遣労働者として働いているけれどけれど、会社がズルして、社会保険に入っていいないことが多い。)だから、入管が在留審査で保険加入について考慮することで、こういう問題の解決に寄与するのではと期待されていた。
また、国保についても、裕福な外国人が加入しないことで、他の被保険者や公金の負担に影響するという(保険数理の)問題もある。それに、外国人からの保険料徴収に市区町村が難儀している問題にも、健保加入を審査基準に加えることで、よい効果が期待されていた。
ジャパンタイムズの記事を読むとわかるけれど、この一件で喜んでいるのは、健康保険が使えない外国人向けの病院があるような大都市に住んでいて、本国の企業保険に加入しているような、一部の金持ち外国人だけだ。そんな一握りの人たちのために、弱い立場の多数の外国人を、犠牲にしてよいのだろうか。
どうにも納得がいかない。