池田・前田刑訴は、自衛隊員に読まれていないのだろうか?

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池田・前田の「刑事訴訟法講義」、もうすぐ3版がでる予定。でも、初版、2版ともに自衛隊に関する記述が間違っていた。いまさらだけど、東京大学出版会に訂正の申し入れをした。

これだけ放置されていたんだから、きっと、自衛隊員には読まれていなかったのだろう。

もうじき池田・前田「刑事訴訟法講義」3版がでるそうで、たいへんたのしみにしています。ところで、同書の初版、2版ともに、特別司法警察職員の記述に誤りがありました。(初版では31ページ)ひょっとして、3版で訂正されていないかもしれないのですが、念のためお知らせする次第です。すでに対処済みでしたら、たいへん申し訳ありません。

「特別司法警察職員(法190条) 司法警察職員は、・・・」のあと、「自衛隊刑務官(自衛隊法)等である。」とありますが、正しくは、「自衛隊の警務官」の誤りです。

矯正職員ではなく、軍事警察(Military Police)の業務を行う職員ですので、「刑務官」ではなく、「警務官」といいます。なお、自衛隊の司法警察職員(自衛隊法96条1項)にも、司法警察員と司法巡査の区別があり(自衛隊法96条2項)、前者を警務官、後者を警務官補といいます(同法施行令109条1項)。ところで、「自衛隊警務官」という官職はありません。自衛隊の令規では、単に「警務官」というか、あるいは「自衛隊の警務官」ということはあります。(これは、警察法56条1項に規定する「地方警務官」と区別するためです。)しかし、「自衛隊警務官」とはいいませんので、「自衛隊の警務官・警務官補」というのが適切かと考えます。

以上、念のためお知らせします。

4 Responses to “池田・前田刑訴は、自衛隊員に読まれていないのだろうか?”

  1. 東大出版会から返事があった。すばやい対応だ。

    「既に第3版は製本作業に入っており間に合わず、つきまして第3版でも1刷ではそのままとなってしまいます。増刷時に対応」とのこと。

    もっと早く知らせれば良かった…。

  2. 通りがかりの元自衛官 より:

    通りがかりにコメントを失礼します。

    東京の山手線圏内にある、とある法科大学院に通っている、元自衛官です。
    私も池田・前田「刑事訴訟法講義」の警務官の誤りについて気になっていたところ、偶然にこちらを発見してしまい、コメントを残してしまいました。

    警務科ではありませんでしたが、自衛隊に在職中に、刑法や警察官職務執行法を学ぶ機会はありましたが、刑訴を読む機会はありませんでした。

    そして、警務科職種の隊員がかかわる捜査が自衛隊内部向けであり、その結果、隠ぺいやオイ・コラ捜査がまかり通っている以上、警務科隊員への教育も不十分な部分があるとは感じていました。

    つまるところ、警務官ですら読んでいない可能性が高いし、読んでいても気にも留めていない可能性が高いように思います。

    というのも、「2~3年に1回程度改訂されるのだから次は訂正される・・・」とか、「すでに誰かが連絡している」などと、タカを括っているともいえますし、司法試験を受けようと思わなければ、大抵、複数の版を読み比べたりもしませんし・・・(私も大学のころのまま最新版に誤りが残っているとは思いませんでしたし)

    …という具合に、弁護するわけではありませんが、気になっていた人も少数ながらはいたかと思いますが、極めて少数でしょう。

    出版社の増刷時の対応を、少し楽しみにしてみたいと思います。

    ・・・と、勝手気ままにコメントを残してしまいましが、失礼いたします。

  3. コメントありがとうございます。

    自衛隊をやめてロースクールに入った人が毎年数名いるというのは、いろんな人から聞いています。ご健闘をお祈りします。

    有斐閣の判例六法に至っては、何十年も間違いが放置されていたのですから、ひょっとしたら、自衛官の間では、「防衛実務小六法」以外の六法さえほとんど読まれていないのかもしれません。(陸の「青本」とか海の「勤務参考」みたいなものが一番読まれている「法令集」かも。)

    そんな中で、現役あるいは退職後に司法試験に受かった人がいるのですから(偶然ですが、今の職場の同僚と地方修習が一緒だった人と、予備自の訓練で同じ営内班になったことがありました。)、頭の下がる思いです。

    隊内の捜査能力は検察との人事交流でなんとかなるでしょうが、法律的素養と言うことでは、今のご時世、やはり大学(ないし院)レベルの専門教育が必要ではないかと思います。まあ、自衛隊(特に海)で民事・刑事いろんな不祥事がありますけれど、自衛隊側の法的な考慮が欠けていて、あとあと事件がこじれるということは、時々風のうわさに聞いています。

    自衛官・元自衛官が司法試験に合格してから、自衛隊のしかるべく官職につくことがあれば、自衛隊の警務や法制執務の質も、ぐーんと上がるのでしょうが、どうも、それをゆるさない環境がありますね。

    たとえば、在職中、あるいは退職後に司法試験に受かっても、現実的には自衛隊に戻れるコースがないというのも、大きな問題だと思います。(そういえば、法務官すら法曹資格がないというのは、いったいどういうことだろう。)

    事実、在職中に司法試験に受かっても、2つの理由で退職しなければならないわけです。ひとつは、職務専念義務との関係で、自衛隊が休職をみとめても、修習生が他の官職に就くことを最高裁判所が認めていないということがあります(予備自衛官の身分で修習生に採用された例がありますが、本人によると、それでも原則だめで、後で大きな問題になったそうです。)。もうひとつは、予算の問題です。仮に自衛隊が休職して司法修習をさせる制度を設けたとしても、あるいは、一旦退職して再任用できるように令規を整備しても、財務省がこれに必要な予算を認める可能性は、(公募予備自に法務の職種を加えることができなかった過去の例から照らして)非常に低いように思われます。

  4. ログをみて気がついたのだけれど、防衛省内から、このページに時々アクセスがある。最近の検索のキーワードが、「休職 司法修習」だった。

    ふと思ったのだけれど、防衛省で、ロースクール修了生や司法試験合格者の中途採用を始めたらどうだろうか。ほかの中央官庁ではすでに実施しているところがいくつかある。

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