Nicole Kidman の再婚問題
[ 한글 | 中文 | English ]具体的に、どのような法的規範をあてはめて「絆の解消」をしたのか考えてみたのだが、いわゆる「ペトロの特権」(can. 1142)もしくは「パウロの特権」(can. 1143)が適用される事例だと思う。
パウロの特権が適用される要件は、おおよそ次の通り(くわしくは、can. 1143-)。
- 対象は、片方がキリスト教信者(baptized)で片方が信者でない(non-baptized)婚姻(この状態は婚姻開始時点でなくとも、事後に生じた場合でもよい)
- 婚姻を解消しなければ信者の信仰を守ることができない事情があること
- その他
キッドマンは Catholic > Scientology > Catholic というふうに、信仰を回復しているが、クルーズは Catholic > Mormon > etc. >Scientology 現在に至る、という状況。ふたりが結婚したのは両者ともに Scientology を信仰していたときで、その後キッドマンはカトリックに復帰しているのだから、 (洗礼の秘跡の非解消性という部分をゆるやかに解すると)「非キリスト信者同士の結婚、のちに一方が信者になった」という、パウロの特権の要件を満たして いると思う(控えめに考えても、類推適用は可能)。
Kidman の場合は、ペトロの特権を単独で適用することも可能だと思う(現行教会法では、ペトロの特権の要件について広い裁量権を認めている。)。 でも、伝統的なペトロの特権の要件の解釈(一方配偶者がキリスト教信者ではない、などの要件)からは、ペトロの特権とパウロの特権との「重畳適用」と考え ることもできそうだ。 いずれにせよ、判例にあたってみないとなんともいえないが。
(追記)
教会法典1147条に、非カトリック信者との再婚に際してパウロの特権を適用(要件裁量)できる規定がある。
Can. 1147 For a grave cause, however, the local ordinary can allow a baptized party who uses the pauline privilege to contract marriage with a non-Catholic party, whether baptized or not baptized; the prescripts of the canons about mixed marriages are also to be observed.
教会法典の婚姻法には、キリスト教の信者(baptized person)とカトリック信者(Catholic perty)の語彙の使い分けがある。
「ま・ここっと」さんコメントありがとうございます。
キッドマンのケースでは「婚前同棲」は問題とはなりません。婚姻障害となったのは、教会法上の「重婚」(CIC/1983 can. 1085)だと思います。
まず、婚姻の秘跡以外でも、教会法は有効な婚姻として認めます。方式を問わず、婚姻の意思をもって同居すること(民事婚や事実婚など)も、教会法で は婚姻として扱います。ですから、教会の立場では、サイエントロジーの婚姻方式が有効か無効かということよりも、前婚としてみなされる10年間の夫婦生活 の事実の評価が不可欠となります(新聞のインタヴューで Fr. Coleman はこのことに触れています。)。
前婚が教会法上無効であるとの確定 (annulment) がないと、後婚は「重婚の罪」に触れます。婚姻の無効を確定するためには、教会裁判所で婚姻無効の訴訟(審判)を経なければなりません。訴訟物は、「婚姻 の絆」の解消または無効確認で、当事者は「絆の保護官」(検察官)と「配偶者」です。
こんにちは。
この二人は双方幼児洗礼なので未信者同士の結婚には当てはまりません。
聖別された教会堂以外の場所で、カトリックの叙階の秘跡を受けていない何者かによる司式による結婚ショーですから、二人の教会籍に元々「婚姻の秘跡」の記載がないだけです。(つまりおそらく教会籍には初聖体、堅信の記載はあるはず)。トムもニコルもカトリックにおいては婚前同棲の罪になり、ニコルは今回の婚姻の秘跡にあずかる直前に告解をすることで、婚姻ミサ中にご聖体拝領できることになります。
良かったですよね、キッドマン家に30年近く関わる神父さまによる司式だったそうですよ。