外務省に申し入れ 「法王」の呼称と、バチカン市国の「各国・地域情報」の内容
[外務省ではthe Popeを「法王」と呼び習わしていますが、カトリック教会では「教皇」と呼んでいます。日本のカトリック教会は過去において、呼称の変更、とくに在日「ローマ法王庁大使館」を、「教皇庁大使館」とするよう外務省にお願いしたと聞いております。その時は、「政変でもない限り、一度決まった名前は変えられない」とのお返事だったといいます。マスコミ(とくに新聞)は、外務省が呼称をかえないことをたてに、かたくなに「法王」と呼び続けています。
国名、国号は、かつてのように外務省の「慣習」によってのみ決めることなく、最近では民間で広く通用する呼称に、省内の文書も書き改められているのはたいへん喜ばしいことです。ローマ法王庁も、教皇庁にかえて良いのではないでしょうか。また、「教皇」の名称は、世俗的な首長の呼称としてだけではなく、きわめて宗教的な意味を持ちます。かたくなに「法王」の定訳を使い続けることは、宗教的な人格権に対する配慮を考えると、得策ではありません。
あるいは、「皇」の文字を日本国天皇のみに用い、他国の首長には一段低い「王」の文字をあてる一時期の慣習が、外務省には残っているのでしょうか。
ところで、「各国・地域情報」の経済、通貨についての記載が不正確です。「固有の通貨があり、ユーロと等価で、イタリア、バチカン市国の双方で通用する。」とありますが、ヴァチカンに固有の「通貨」はありません。「貨幣」はユーロ硬貨のみ発行し、紙幣は発行しません。2002年1月1日以降法定通貨 (legal tender)はユーロで、ヴァチカンの硬貨はユーロ圏内で通用します。ユーロ硬貨発行の権限はEUによってヴァチカンに認められていますが、その発行高、供給量はイタリア中央銀行の割り当てによるそうです。

